記事 ストレスなしで、地域社会に変化を生み出す

持続可能性を追求する卒業生が、学校菜園を始め多様なプロジェクトを立ち上げ、故郷アイオワ州に貢献する。                                                        

アダム・ハメス氏は確信している。人が、世界に変化を作りたいと願いながらも行動を起こせずにいるのは、決して知識不足がゆえではない。事実や情報なら山ほどあるではないか。とすれば何か別のことだ。
アダムは、持続可能性という分野の専門家である。ランドマークワールドワイドのセミナーに参加し、その後、2014年に『ストレスなしの持続可能性(Stress-Free Sustainability) 』という著書を出版した。本の内容は、諦めやストレスに直面しても、自分が無力だと感じるような今日の世界的な問題にぶつかっても、世界に違いを作り続けていくためには何が必要か、というものだ。知識量の増加ではなく、相手に効果的な行動を促すような力強いコミュニケーション能力こそが、違いを作るのではないだろうか。

アダムは著書の中で、彼自身が持続可能な社会の実現を通して、これまでどんな変化を生み出してきたのか、その旅路について詳しく述べている。物心ついた頃からずっと、アダムは持続可能性に強く心惹かれてきた。大学卒業後は、アウトドアのアドベンチャーツアーを引率して環境教育を行ない、世界4大陸7カ国で暮らした。その後、MBAを取得して故郷のアイオワ州に戻り、非営利団体「アーバン・アンバサダーズ(Urban Ambassadors)」を創設する。目的は、多種多様なプロジェクトを実施しながら地元アイオワ州デモイン市周辺の持続可能性を高めていくことだった。


アダム・ハメス氏の著書「ストレスなしの持続可能性(Stress-Free Sustainability) 」(2014年)

「アーバン・アンバサダーズ」創設後、遂に、アダムが夢にまで見た仕事が舞い込んできた。地元アイオワ州の、年商数十億ドルのコンビニエンスストアチェーンにおける持続可能性担当マネジャーのポストを得たのだ。しかし、この職に就いても、アダムは他のどのプロジェクトも停滞させなかった。将来出版する予定のブログの執筆も続けていた。ブログのトピックは環境問題に留まらず、社会に何かを提案・推奨する「アドボケート」であるためにトランスフォメーションという区別をどう適用できるかについて語った。

アダムが最も深く関わった学校菜園のプロジェクトは、その2年前に手掛けた仕事に端を発する。地元の食品業者団体や、都市農業者、飢餓撲滅の支援団体などを集めて開催した「飢えた人たちに希望を (Hope for the Hungry)」というコンファレンスだ。主催は、アダムが創設した非営利団体「アーバン・アンバサダーズ」だった。ここからさまざまな革新的な活動やコラボレーションが生まれ、7年経った現在も続いている。このカンファレンスが縁で、アダムは学校菜園と、正に「恋に落ちた」のだ。

アダムは、学校菜園の普及だけに的を絞ったキャンペーン「すべての学校に菜園を(A Garden for Every School )」を実施した。学校菜園は、自然とのつながりを深めるだけでなく、心身の健康や行動、学習能力にも結びつく。アダムは、菜園はなぜ学校によって成功したり失敗したりするのか、なぜ多くの学校菜園が1、2年しか続かないのか、そして、アメリカの全小学校で菜園を経営するとしたら、それに本当に必要なものは何か、などの研究に魅了されていった。


アダム・ハメス氏

アダムは2年半かけて、教師や学生、親、外部団体などとの面談を重ね、学校菜園には何が効果的で、何が効果的でないのかを研究した。さまざまな組織と連携し、学校菜園の存続を妨げるあらゆる障害を検証していった。アダムが意図したのは、永続的に運営できる学校菜園を作るため、さらにはそれを全国的なトレーニングプログラムとして普及させるための、いくつかの試験プログラムを作ることだった。アダムは、このプログラムを関係者全員(校長や教師や用地の管理人など)に支持してもらうには何が必要かを検討した。そしてアダムが発見したことのひとつは、プログラムに必要なのは一回限りの補助金でやりくりすることではなく、年間を通して資金を調達する担当者や地元の協力者だということだった。

アダムは、二つの団体(Keep Iowa BeautifulとTeachers Going Green)と共同して学校菜園プログラムを開発し、八つの学校でその導入試験を行なった。現在は、学校菜園のトレーニング用ビデオを制作中だ。全米の学校にこのトレーニング用ビデオを届ければ、成功間違いなしの学校菜園プログラムをどの学校でも始めることができるだろう。アダムは、実に多くの団体がこのビデオ制作を支援してくれたと言う。地元のロータリークラブを筆頭に、「ハビタットフォーヒューマニティ」、「キワニス」、「ナショナルガーデニング」「フードコープスUSA」などの団体だ。こうした協力のおかげでアダムのビジョンは現実となった。今夏には、できるだけ多くの学校に学校菜園プログラムを提供するために、「すべての学校に菜園を」のためのクラウドファンディングキャンペーンを実施する予定だ。

これらの活動を進めるなか、アダムはこれら地域社会のための多様なプロジェクトに専念するためにコンビニエンスストアの職を辞した。そして、「アイオワの持続可能なビジネスフォーラム(the Iowa Sustainable Business Forum)」を創立し、コンサルタント活動、著書のプロモーション、全米各地での講演活動などを開始した。著書『ストレスなしの持続可能性』と、「すべての学校に菜園を」のためのクラウドファンディングキャンペーンに続き、アダムは今、新しい著書の構想を練っている。1冊はアイオワ州の企業が取り組む、会社としての持続可能性についての本、もう1冊は、「すべての学校に菜園を」の可能性についての本である。


アダムは、著書を通じて読者に、「何でも可能だ」という考え方を実際に体験してほしいと願っている。

「これは環境活動家たちにとって、とてつもなく大きなことです」とアダムは言う。「ともすれば、否定的になったり悲観的になったりしがちですが、そういうときにこそ『可能なこと』に目を向け続けることが重要なのです。私がランドマークワールドワイドから学んだのは、可能性をいつも生き生きと目の前に存在させておくことです。もし行き詰ってしまっても、すぐにそこから抜け出せる数々のツールも得ました」

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